「太もも外側がしびれる!」【外側大腿皮神経障害の原因と対処法を紹介します。】

太もも外側の痛みを訴える写真です。

🟦ももの外側がしびれる原因はいくつか考えられますが、代表的なものに以下のようなものがあります。

🔹【外側大腿皮神経障害(そとがわだいたいひしんけいしょうがい)】
🔹腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症
🔹坐骨神経痛(特に上殿皮神経)
🔹帯状疱疹(たいじょうほうしん)の前兆
🔹その他

🔹【 外側大腿皮神経障害とは?

太ももの外側の皮膚に感覚を送っている「外側大腿皮神経」が、鼠径部(そけいぶ:脚の付け根)で圧迫されることで起こる神経障害です。

「外側大腿皮神経」が、鼠径部(そけいぶ:脚の付け根)で圧迫されているイラストです。

🔸 【主な症状

  • ももの外側のしびれ、ピリピリ感、焼けるような感覚(灼熱感)
  • 感覚が鈍くなったり、触ると不快に感じたりする(知覚異常)
  • 多くの場合、片側だけに症状が出る
  • 動かしても筋力は保たれていて、痛みよりも感覚異常がメイン

🔸 【よくある原因・きっかけ

神経が圧迫される要因
・タイトな服・ベルト・コルセット
鼠径部で神経が圧迫される
肥満・妊娠⇒脂肪や子宮の増大で神経圧迫
長時間の立ち仕事⇒運転:持続的な圧迫や姿勢の固定
腰椎手術・外傷⇒神経の走行異常や癒着

【 外側大腿皮神経障害どうすればいいの?

大腿外側皮神経が締め付けられているイラストです。

🔸 【治療法

🟢 【軽症の場合

生活習慣の見直しで改善するケースが多いです。

  • 締めつける服やベルトを避ける
  • 体重を減らす
  • 姿勢の改善、長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしを避ける

🟡 【中等度の場合

  • 消炎鎮痛薬(内服や貼付薬)
  • 神経ブロック注射(局所麻酔で痛み・しびれを抑える)
  • 物理療法(温熱療法やストレッチ)

🔴 【難治性・重症例

  • 手術(神経の圧迫部位を開放)

🔸 【自分でできる対処法

  • ズボンや下着のウエスト部分をゆるめる
  • 太もも周辺のストレッチ(特に腸腰筋・大腿筋膜張筋)
  • 姿勢を正し、腰や骨盤に負担がかからないようにする
  • 長時間の同じ姿勢を避ける(立ちっぱなしや座りっぱなし)

ストレッチやセルフケアの具体的な方法

外側大腿皮神経障害に対するストレッチやセルフケアは、神経の圧迫を軽減し、筋肉や姿勢のバランスを整えることが目的です。

✅ セルフケアの基本
締め付けを避ける
⇒神経への圧迫を減らす
体重管理⇒骨盤周囲の負担を軽くする
姿勢改善⇒骨盤の傾きを調整して圧迫を防ぐ
ストレッチ⇒神経の通り道を広げる、筋緊張を緩める

🧘‍♂️【 効果的なストレッチ

外側大腿皮神経障害に対するストレッチのイラストです。

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)のストレッチ

外側大腿皮神経のすぐ近くを通る筋肉で、硬くなると神経圧迫の原因になります。

やり方

  1. 壁やイスに右手を当てて立ちます。
  2. 右脚を後ろに引いて、左脚の後ろ側にクロスさせる。
  3. 右の骨盤を左に突き出すようにして体を左に倒す。
  4. 右の腰~ももの外側が伸びていればOK。
  5. 30秒キープ×左右2~3セット

腸腰筋ストレッチ(骨盤前傾を整える)

姿勢改善につながります。

やり方】

  1. 片膝立ちになり、後ろ脚の股関節を前に押し出すように倒す。
  2. 骨盤が前傾しすぎないよう注意(軽くおへそを引き込む)。
  3. 30秒キープ×左右2セット

梨状筋(りじょうきん)のストレッチ

坐骨神経痛と鑑別が必要なため、念のため行うと良いです。

やり方】

  1. 仰向けに寝る
  2. 右足を左足の膝に乗せ、左足を持ち上げて胸に引き寄せる
  3. 右のお尻が伸びていればOK
  4. 30秒キープ×左右2セット

🧍 【姿勢と動作の注意点

  • 腰を反らしすぎると圧迫が強くなる → 骨盤を中立に保つ
  • 長時間立ったり座ったりするのは避け、1時間に1回は軽く動く
  • 車の運転が長時間に及ぶなら、クッションやシートの位置を調整して鼠径部の圧迫を減らす

避けた方がいいこと

  • ガードルや締めつけるズボン・下着
  • 太めのベルトをギュッと締める
  • 腰を大きく反らすような体操(背筋の過度な伸展)

🩺 【受診の目安

以下のような場合は、整形外科神経内科の受診をおすすめします。

病院のイラストです。

・しびれが1週間以上続く
・触っても感覚が鈍い・違和感が強い
・歩きにくい・足に力が入らない
・夜間に症状が強まる
・腰やお尻に痛みもある

外側大腿皮神経の症状範囲を現したイラストです。